●フロア補修A
さて、助手席のフロアは大胆に切り取ってしまいましたので、白ボディから切り取っておいたパネルを移植します。プレスラインも残り、強度は十分、見た目もソコソコです。パネルとフロア両方に、2液型の金属接着剤を塗布した後に、ブラインドリベットで固定します。アルミリベットととの電位差による電食が囁かれていますが、鋼板との間はPORと接着剤で絶縁状態であり、リベッティングによって圧着されているので心配するほどではありません。実際に、8年前にこの工法で補修した窓枠の下部は未だになんともありません。
比較的小さめの切開部分は、1mm厚のアルミ板を同様の工法で貼り付けました。リベット打ちすぎですね・・・・。パネルを上から被せるので多少の板金が必要です。
裏から見るとこのようになります。このボディは55年式ですが移植したパネルは56年式です。何と、水抜き穴の位置がマイナーチェンジされています。穴が前後で斜めにずれるのが最終型、それ以前は一直線上に2つの穴があります。排水性を考慮したのでしょうが、細かいですねぇ。
移植パネル部分は、表裏両面から徹底的にシーラーを入れます。水抜けを考えず、全周にわたりシールしました。段差を緩やかにする為でもあります。スポット溶接などの場合は排水を考えなくてはなりませんが、接着剤とリベットでの全面固定ですので問題ないでしょう。あくまで排水は水抜き穴からヨロシク・・・ということで。
上が、ホームセンターで買える上塗り可能なシリコンシーラント「POSシール」。下がサンスターの「ペンギンシール」です。今回は後者を使用しました。
フロアの穴埋めが終わりましたので、裏側を徹底的に防錆します。POR15をサビのある箇所にチマチマと塗り付け、その上からチッピングコートです。これにて裏側は新車同様。1kg位は重くなりますが、遮音性や耐腐食性などのメリットの方が大きいです。
フロア表面の仕上げの方針は既に決定していますが、最終段階での施工となりますので、しばらくはお預けです。
●内装部品の再生
サビと遊んでばかりでは飽きるので、内装の部品でも触ろうか・・・・・と思ったら、こちらもサビだらけでした。とにかく、ありとあらゆる部品がサビサビです。手始めにペダル部分を綺麗にしてみました。
これはベンチレーターです。この部分、滅多なことでは外す機会がないと思いますが、ボディから分離できる構造です。しかし分離にはヒーターをはじめ数々の部品を撤去しなければなりません。例えレストア済みを謳っていても、大抵のSJ10,20はご覧の有様です。外気取り入れだけでなく、雨の日や洗車時には常に水が流れ、ボディ外部に排出する部分ですので当然と言えば当然ですね。
雨の日にヒーターの上辺りが濡れるのは、この部分のシールが痛んでいる為です(因みに純正部品は欠品)。
ハイ・・・・綺麗になりました。サビを落として定番のPOR処理です。バネ類は迂闊にPORを塗ると固着してしまいますので、伸ばした状態で塗装するのが正解です。
バラバラの状態では場所をとる上に組み付け状態を忘れてしまいがちなので、組み立てます。こういった作業では、部品の数が膨大ですから、ユニットごとにまとめておかないと収拾がつかなくなります。
室内とベンチレーターのフラップのウエザーストリップはホームセンターで買ってきたものを試用してみます。カウル部(上部)はニチバンの「膨張テープ」。通常はネバネバした薄いスポンジですが、保護紙を剥がして粘着成分が揮発すると約5倍に膨張し、密閉度を上げる仕組みです。フラップはP型断面のクッションテープをD型にして使用しました。ベンチレーター操作時の音も静かになります。
この部品を外すと、作業中にとても気になる部分です。サビサビです。しかも誰ですか、こんなところに家を建てるのは。
家はまだ住めそうなコンディションでしたが解体、撤去させて頂きました。サビにも消えていただきました。今回はあらゆるサビ(誰かの家も)を駆逐する方針ですので、裏側も手を抜きません。